季節と肌質に合わせた「着るもの」の選び方

日本ではかつて、新年に新しい下着を新調する

という習慣があったと思うのですが、

現在では新年に下着を新調している人は

今では少ないかもしれませんね。



下着に限らず、

私たちが毎日身につける衣服は、

肌を通して私たちの心身に影響を与えています。

アーユルヴェーダには「Ayurvastra」という、

薬草で染められた布を身につけることで

健康をサポートする知恵があります。



今日は、その考え方をヒントに、

季節やご自身の体質に合わせた

「着るもの」の選び方をご紹介します。



季節に合わせた装い

春(3月〜5月)

春は気温の変化が大きく、湿気も多い季節。

軽やかなコットンやシルクを纏うように意識すると良いでしょう。


黄色、オレンジ、赤など、明るく元気の出る色を選ぶと、心も弾みます。

草木染め製品が手に入る方は、

ターメリック(ウコン)、ニーム、トゥルシー(ホーリーバジル)などの

浄化作用のあるハーブで染められた生地がおすすめです。


花粉症の方へ

お顔も大切な肌の一部です。

この時期は、薬草染めのオーガニックコットン製のマスクを、

使い捨てマスクの下に重ねて使うことをおすすめします。

ニームやトゥルシーなど、

浄化作用のあるハーブで染められた布は、

デリケートになっている肌を優しく守ってくれます。

夏(6月〜8月)

暑さと湿気の厳しい日が続く時期ですね。

通気性の良いオーガニックコットン、またはシルクが理想的です。

インドに行かれる方は、カディ(手紡ぎ手織り布)も良い生地です。

色は白、淡いブルー、グリーン、

パステルカラーなど、涼しげな色合いを。

身体の熱がこもらないよう、

吸湿性と通気性を重視して選びましょう。

ハーブの力を手にしたい人は、

サンダルウッド、ベチバー、ローズ、

アロエベラなどの冷却作用のあるハーブで

染められたものを選べたら最高ですね。


秋(9月〜11月)

秋と言っても、まだ暑さが残る日も多い季節です。

この時期は、

これから迎える冬へ向けての大切な準備期間。

徐々に気温が下がり、

空気が乾燥し始めるこの時期に、

身体を冷やしすぎず、でも暑すぎない

適切な装いを心がけることが、

快適な冬を過ごすための鍵となります。


中厚手のコットンや柔らかなウールを少しずつ取り入れ、

深緑や茶色のアースカラーなど、

大地を思わせる温かみのある色合いが、

心を落ち着けてくれます。

手に入る場合は、

アシュワガンダ、ブラフミー、シャタバリなどの

滋養強壮ハーブで染められた生地がおすすめです。





冬(12月〜2月)

寒さと乾燥の季節には、

ウール、オーガニックコットンフランネル、

またはシルク混紡の重ね着がおすすめです。

濃い赤色や深みのあるオレンジなど、

深く温かみのある色が、血行を促し、

寒い季節を快適に過ごす助けとなります。

ジンジャー、シナモン、ブラックペッパーなどの

温め効果のあるハーブで染められた生地は、

体を内側から温めます。





肌質・体質に合わせた選び方

肌が敏感で乾燥しやすい方へ

冬場に肌がカサカサしやすい、

風に当たると肌が荒れる、

という方は、柔らかく滑らかな質感の生地を選びましょう。

シルク、カシミア、上質なコットンがおすすめです。


  • おすすめのハーブ染め: アシュワガンダ、バラ、ごま油を含浸させた生地

  • 色合い: 温かみのあるアースカラー、明るい黄色、ソフトオレンジ

  • 避けたい素材: ザラザラした質感や硬い生地は刺激になることがあります


天然素材の柔らかな布は、

デリケートな肌を優しく包み、

心も落ち着かせてくれます。


身体に熱がこもりやすい方へ

夏場に特に暑さを感じやすい、

肌が赤くなりやすい、

イライラしやすいという方は、

涼しく通気性の良い天然素材を選びましょう。

コットン、リネン、シルクが理想的です。

  • おすすめのハーブ染め: サンダルウッド、ローズ、ニーム、インディゴ

  • 色合い: 涼しげなブルー、緑、白、パステル

  • 避けたい素材: 熱がこもる化学繊維



肌が呼吸できる自然素材は、身体の余分な熱を逃がし、快適さをもたらします。


身体が冷えやすく、だるさを感じやすい方へ

朝起きるのが辛い、

身体が重く感じる、

冷え性という方は、

軽やかな質感の生地がおすすめです。

シルク、リネン、軽めのウールが良いでしょう。


  • おすすめのハーブ染め: ターメリック、ジンジャー、トゥルシー、ユーカリ

  • 色合い: 明るく刺激的な色 - 赤、オレンジ、明るい黄色

  • 避けたい素材: 重く密度の高い生地は体をさらに重く感じさせることがあります

明るい色と軽やかな素材は、心身に活力を与えてくれます。



大切なのは「肌から吸収するもの」という意識

Ayurvastra(アーユルヴァストラ)の考え方の核心は、

肌に触れる生地の質感や色が

私たちの感覚、

そして心身のバランスに影響を与えるということです。

本格的な薬草染めの衣類でなくても、

天然素材を選び、

ご自身の体質や季節に合った質感のものを身につけることで、

毎日の快適さは大きく変わります。

全身を天然繊維で固める必要はありませんが、

下着など、特に肌に触れる部分に、

上記の内容を参考にしていただけたら幸いです。

また上記に書かれた色が自分好みでない場合、

色はたくさん揃えたくない場合は、

白を選びましょう。

白はお月様を象徴する、女性性とも相性の良い色です。

肌に直接触れるものだからこそ、

心を込めて選んでみてください。

その一枚が、

あなたの心地よい毎日を支えてくれるはずです。

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なぜ私たちは自分の本質のままに生きられていないのか