ヴィパッサナー瞑想でありのままを観る力を養う

瞑想にもいろいろな種類がありますが、

瞑想しても「飽きてしまう」、と相談をいただきました。

今日は私が個人的にやって

「これは飽きないぞ!」と思った

ヴィパッサナーについて紹介しようと思います。

ヴィパッサナーは、

古来よりインドにルーツを持つ、

非常にポピュラーな瞑想法です。

その名はパーリ語で「物事をありのままに見る」という意味を持ち、

上座部仏教(※1)における瞑想の中核をなすものです。

ヴィパッサナー瞑想とは

ヴィパッサナー瞑想は、

心を鎮め、自己の内面を観察することに重きを置きます。

伝統的な10日間のヴィパッサナーリトリートでは、

「貴き沈黙」(Noble Silence)が重んじられます。

これは、一切の会話、筆記、さらには身振り手振りさえも慎むことです。

この徹底された沈黙は、

外の世界からの刺激を最小限に抑え

内なる自己観察とマインドフルネス(※2)を

深めるための極めて有効な環境を提供します。

実践するために必要なもの

ヴィパッサナー瞑想を実践するために、

特別な道具や広大な場所は必要ありません。

最も重要なのは、

集中して観察するための清潔で静かな空間

自身の呼吸と身体感覚に注意を向ける意志です。

椅子に座ったりあぐらをかいて目を閉じる瞑想法が一般的ですが、

お散歩をしたり食事をする時間も「瞑想」の時間となります。

大切なのは、背筋を伸ばしリラックスした姿勢で、

ただ「今、ここ」に意識を集中することです。

現代社会で実践するなら

現代社会で10日間もの沈黙を守ることは、

多くの人にとって容易ではありませんね!

そこで提案したいのが、

週に一度、24時間限定で「静黙の実践」を設けることです。

この間、言葉を発することは控えますが、

最低限のメールやメッセージのやり取りなど、

最小限のタイピング作業であれば許可することで、

仕事や日常生活に支障なく、

この体験を継続することが可能になります。

この「制約の中の自由」は、むしろ観察の精度を高めるかもしれません。

ちなみにインドでは、事前に申告すると、

仕事でもこのヴィパッサナー実践が許可されるという人に会ったことがあります!

ご家族やお友達に事前に申告しておけば、

家族や友人関係を損なうことなく実践できるでしょう。

ヴィパッサナーがもたらす恩恵

この日記帳を書こうと思った程なので、私もヴィパッサナー実践者です!

この瞑想を実践する中で私が感じたメリットは、

五感が以前よりも遥かに鮮明になったこと

一つ一つの色、音、香り、味、触覚が、より深く、

豊かに感じられるようになったのです。

足音や風の音ってこんなにハッキリしているんだ、と感じました。

また、以前から無駄な発言は控えていたつもりですが、

意図せずとも言葉を控え、静寂の中にいること自体に

心地よさを感じるようになりました。

「話さないこと」への抵抗感がなくなり、むしろ内なる対話が深まる

のを実感しています。

自己理解の第一歩になる瞑想法

ヴィパッサナー瞑想は、単なるリラクゼーション法ではありません。

話さずに観察するだけのシンプルな行為を通して、

人生に対する新たな視点をもたらすための雑音を取り除き、

自己理解を深めるための土台づくりをしてくれる素晴らしい教えです。

自身の心の働き、感情の波、

そして存在の本質に触れることができますよ。

それは、文字通り「ありのまま」の自分自身と向き合う、

静かで力強い旅となるはずです。

用語解説:

  • (※1)上座部仏教(じょうざぶぶっきょう):仏教の初期の教えを最も忠実に伝えているとされる宗派。スリランカ、タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスなどに広まっています。

  • (※2)マインドフルネス(Mindfulness):現在の瞬間に、意図的に、評価することなく注意を向ける心の状態。

By Jessica Kato 加藤ジェシカ

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